永松茂久さんの新刊本、「影響力」をレビューします。
永松さんは、日本の長者番付1番を連続で取った斎藤一人さんのお弟子さんです。
本の中には、「稼ぐための」ひとりさんの教えのエッセンスがつまっています。
永松茂久さんってどんな人?

大分、福岡で5店舗の飲食店と2店舗のフィットネスクラブを経営するかたわら、2017年より東京麻布十番に拠点を構え、出版、セミナー講師、コーチ、コンサルタントを目指す人のための人材育成スクールである「永松塾」を開講。口コミで全国から人が集まるオンライン講座「未来会議」「湘南未来実現合宿」、指導者を目指す人のための「永松塾メンターズカレッジ」「ブランディングコンサルティング」の4つの柱を元に、多くの若者たちの指南役 として活躍中。
参照・出典元:http://nagamatsushigehisa.com/profile.html
最初は 地元のたこやき屋さんからスタートした永松さん。
その後、陽なた屋(ひなたや)というレストランを経営して、大成功。
感動することができるお店として、遠隔地から人が訪れます。
多角化されていくなか、本も出版されています。
私がはじめて永松さんを知ったのは、永松さんが書いた「斎藤一人」さんの本を通してです。
斎藤一人さんは日本の長者番付1番を連続で取った人です。永松さんは斎藤一人さんから教えてもらった教えを、本にして出版しています。
「成功するには、成功し続けるには、どうすればいいのか?」
この質問の答えは、「外ではなくて自分の中にある」ということです。
つまり「成功する自分になる」ということですね。
本の中では永松さんが一人さんから教えてもらった 成功者のマインド、対人関係を、とってもわかりやすくつづっています。
斎藤ひとりさんのお弟子さんの書いた本はほかにもありますが、ほとんどの本が ひとりさんが「すごい人」前提で書いてある気がします。
斎藤ひとりさんが既に大好き、という人には良いのでしょうが「別にひとりさんファンってほどでも・・・」という場合は、そのノリに、ちょっとひいてしまう気がします。
私が読んだ限り、永松さんが書いたひとりさんの本が、一番、論理的です。
一人さんの教えを間接的に受けた気持ちになれる良本です。
「影響力」レビュー
この本の主題は「自分のブランド化」
これからは「個の時代」です。
今までのような会社名や肩書だけでは生きていけません。
そんな時代で、自分のマーケティング、そしてブランド化が必要になります。
これができれば、世の中に大きな影響力をもつことができるようになります。
本書の主題は、まさにこの、自己ブランディングです。
ちなみに「これからは個の時代」というのは、斎藤ひとりさんが昔言った言葉だそうです。
今回の本には、意図的にか、「斎藤一人さん」の名前は出てきません。
ただ、永松さんの書かれた他の本を読まれた方なら、「一人さんが言った言葉だな」、とわかるかと思います。
具体的には、下記のようなトピックが書かれています。
①自分が人に与えられるメリットと強みを明確にする
②お客様像を明確にして戦略をねる
③お金に対するメンタルブロックをはずす
④メンターを得る
⑤本を出版して影響力をもつ
読んでいて、グッときた部分を、レビューしていきますね。
①自分が人に与えられるメリットと強みを明確にする
自分の影響力は、次の式で作られます。
影響力=メリット×実績×あこがれ×好感度
このなかで足りない部分があれば、のばしましょう。
このなかで一番大事なのは、メリット。
つまり、「自分が相手に何を与えらるのか」です。
②お客様像を明確にして戦略をねる
自分にとってお客様となるペルソナ像を、明確にして、戦略をねること。
そして、その人がもっている不満を解決すること。
そのための方法は、次のとおりです。
お客様のところへいく!
「マグロがつりたければマグロがいる場所にいく」
自分にとってのお客様がいるところにいくことが大事です。
お客様をおとす戦略をねる
お客様像がきまったら、「ヘッドピンをおとす」
ヘッドピンとは、ボーリングをやる際に、「これを倒せば、他もとれる」というキーになるピンのことです。
家族向けのお店を繁盛させたいとき。本当にカギとなるターゲットは大人ではなく、実は、子供です。
たとえば、レストランにすてきなキッズルームを完備してあげるとか、子供向けのサービスを充実させると、子供がその店にいきたがります。すると、その親もその店に何度もくることになります。
子供を落とせば、親もついてくるわけです。
つまり、「これを倒せば、他もとれる」というヘッドピンは、表面的なターゲットである親ではなく、「子供」なんです。
「だれがヘッドピンか?」「だれを落とせばいいのか」、お客様像=ペルソナを決めたら、それに沿った戦略を練って、サービスを決めるのが大事です。
問題を解決してあげる
お客様を明確にできたら、お客様の問題を解決してあげます。
それだけで、いろんな商売のアイディアがでてきます。
そのなかには、すぐにできる、すごく簡単で、即効性が高いものもあります。
たとえば、永松さんが以前、屋台のたこやき屋さんをやっていたとき。
近所の店におされて、全然人がこなかったそうです。
その時期はちょうどサッカーワールドカップの時期。
他のお店に並んでいるお客様が「ボディーペインティングでもサービスしてくれればいいのに・・・」
とつぶやいているのを聞いた永松さんは、早速材料を買ってきて、たこ焼きを買ってくれた人には無料でボディーペインティングサービスを開始しました。
結果、大繁盛。
翌日から他のお店も同じことをしだしたそうですが、そのときには、永松さんのお店は充分に売上をあげることができていました。
③お金に対するメンタルブロックをはずす
かつて永松さんは、自身のお店で、無料で経営アドバイスもしていたそうです。それによって、どんどん疲労していきました。
ある人からアドバイスをもらい、それからコンサル料金を取るようになりました。そうすることで、アドバイスを受ける側も本気になります。
ただ、そうできるまでに、葛藤がありました。お金をもらうことへの罪悪感が、原因です。
実体がないものにお金をもらう、ということに、罪悪感があったわけです。
このメンタルブロックをはずすことが、大事。
値段は支払ってもらう額でなく、与えられる価値で考えること。
1万円をもらっても、1000円の価値しか与えられなければ、9000円の損をさせたことになる。
10万円をもらっても、100万円の価値を与えられれば、90万円の特をさせたことになる。
影響力をもつ人になるには、人からお金を取ることに目をむけず、人に与えられる価値観を意識することが大切です。
「影響力」レビューまとめ
④メンターを得る
⑤本を出版して影響力をもつ
については、本記事では割愛しますね。
面白そうだな、と思ったら、読んでみてくださいね。
一流の経営者が書いた本だけあって、「商売の仕方」に関する部分は、さすがに面白いです。
前に書かれている本とかぶる部分はあるものの、永松さんの生きた経営経験が具体例として一緒に書かれていて、とっても わかりやすい。
すこしマイナスに感じた点を言うと、トピックが少し、ばらついている感じはしました。本書の主題である「影響力をもつ」という主題と、「商売の仕方」、違うコンセプトの話が、きれいに混じりあっているというより、違和感がある感じです。
またもうひとつ、メンターをもつことの大事さや、どうメンターに接するか、本の出版の大事さといったトピックには、あまりぐっときませんでした。
メンターをもつことや出版することが大事なのはわかるのですが、「どうやったら良いメンターが得られるのか」「本を出版するそこに至る前にどういった人脈や実績を作れるか」、そもそも、こういった部分が、むずかしいように思います。
ただ、そちらのあまりページがさかれていないのが少し残念でした。
マイナスに感じた点を書きましたが、ただ全体として、面白い本です。
「自分のブランド化」というのは、今後ますます大切になるかと思います。いち早くそれを達成し成功した経営者の本、ということで、参考になる部分はたくさんあります。
今後の著作にも、ぜひ、期待しています。